2017.10.29
コンサルタントの独り言
海外でもワンマンが通じると思っている
中小企業の創業者は自分の力で会社をここまで発展させたという自信があるためか、ワンマンな方が多い。しかし、多くの修羅場を潜り抜けて来たことを感じさせる立派な方も多い。いずれにしてもこの方々に対しては敬意を払いたいと思う。
困るのはこの方々は本社内でのワンマンが海外でも通じると勘違いされていることである。日本ではこれまでに築きあげて来た社内外の組織や人間関係が、自分のワンマンを支えていることに気が付いていないのである。これはこれで仕事の成果であるから決して非難されるものではないが、それが海外でも通じると思い込んだ時点で、海外事業を推進するスタッフは地獄の日々を迎えることになる。
先ず、進出先の国の法律は日本とは異なることなど全く意に介さないから、手続きを一つ進める度に何故そんなことをしなくてはいけないのかと怒られる。インドネシアのような国では許認可がやたらと多くて時間もかかるが、なぜもっと早く進められないのかと怒られる。まだ良く知らない相手とのビジネスに際しては当然のこととして契約書を交わすが、そんな杓子定規的なことをしないと相手を信用出来ないのかと怒られる。
怒ってもこちらの言い分を聴いてくれてそれに従ってくれるのならまだ良い。しかし、一番困るのはこれらを全く無視して現地のビジネスパートナーと個人的な口約束で事業展開を進めてしまうことである。とりあえず土地を買って会社を設立してもらったから後はちゃんとやれ・・・・なんて言われても困ってしまう。ボタンの掛け違いを直すのにどれだけの時間と金を浪費することになるのか、溜息が出る。