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2018.03.27 インドネシア進出を検討している社長さんへのメッセージ インドネシア進出準備

保税工場のメリット・デメリット

 インドネシアの工場に材料を輸出して、そこで加工して他国に再輸出する場合、①保税地区内に工場を持つかあるいは既に用意されているレンタル工場を借りる、②自社の工場用地全てを保税工場とする、③工場建屋の一部を物理的に隔離して保税工場とする方法があります。
 いずれの場合でも輸入材にかかる輸入税、付加価値税、前払法人税は全て免除になるため、商品原価だけでなく資金繰りの面でも大変有利になります。と言うか、インドネシアの人件費が安くて加工費を低く抑えられることが出来た時代は大変メリットのあるサプライチェーンを構築出来ました。
 しかし毎年10%近い賃金上昇を続けて来た結果、アセアンの中では既にコスト競争力を失いつつあり、単純に安い労働力を求めるのであれば、これからはミャンマーやカンボジア、あるいはインドやバングラデシュへの進出を検討すべきでしょう。
 ではインドネシアは既に再輸出拠点としての役割を終えてしまったのでしょうか?そんなことはありません。比較的安価な現地の材料を活用し、比較的安価な労働力で、税金の全くかからない輸入材と組み合わせて価格競争力のある商品を他国に再輸出するメリットは残っているでしょう。
 インドネシアの法律は頻繁に変更されるためいつまで続くかは保証出来ませんが、現在は前年度の輸出総額の50%に相当する範囲内で、インドネシア国内市場に出荷することも出来ます。その際はもちろのこと輸入材にかかったはずの輸入税、付加価値税、前払法人税は徴収されますが、輸出事業のリスクを国内販売で緩和することが可能となります。
 保税工場の認可は割と簡単に取得できるので、インドネシア国内市場向けの事業に、新たに再輸出事業が加わった場合は、既存の工場建屋の一部を物理的に隔離して保税工場として棲み分けることも可能です。そして輸出事業が無くなったところで保税工場の資格を返上して、また元のインドネシア国内市場専用工場に戻すことも可能です。
 保税工場にすると物品の搬入・搬出は厳しく管理しなくてはならず、税関の監視も煩くなりますが、これは仕方のない事として粛々と対処するしかありません。