現地社員の不正を未然に防ぐのは現地トップの責務ですよ
インドネシアには独立機関としての『汚職撲滅委員会』現地ではKPKと呼ばれる泣く子も黙る怖い組織があることをご存知でしょうか?最近の大きな事件としては、前国会議長がe-KTPと呼ばれるIDカードを電子化する国家プロジェクトにおいて汚職に関わったとして、KPKにより摘発され、禁固25年の実刑を受けています。
インドネシアは1945年に独立してからスカルノ大統領による社会主義政治、スハルト大統領による独裁政治、そしてその後の混乱の時期を経て、2004年からはユドヨノ大統領とそれを引き継いだ2014年から現在までのジョコウイドド大統領による民主政治へと続いています。
確かにスハルト大統領の30年にわたる長期独裁政権が終わってからは民主化が進みました。しかし、汚職は益々酷くなっているようにも思えます。上はそれこそ国会議長から下は現場の役人に至るまで、赤信号皆で渡れば怖くないみたいなノリで、やらなくては損みたいな風潮さえ感じます。それを象徴するのが冒頭に紹介した『汚職撲滅委員会』の存在であると私は逆説的に確信しています。
文化の様に浸透している汚職の根源はどこにあるのか、私は300年続いたオランダによる植民地時代に溯るのではないかと推測しています。それ以前からの王族支配の時代にもあったかもしれません。しかし、オランダ人による搾取に苦しむ中、少しでも良い思いをするために汚職をすることが当たり前になってしまったのではないかと思います。但し、本ブログはこのことを研究することが目的ではありません。
私も工場の責任者として駐在して間は社員の不正に何度も頭を悩ませました。以後このブログではその時の体験を思い出して、部門別、職場別に現地社員の不正を未然に防ぐための工夫を紹介して行きたいと思います。