2018.07.18
現地社員の不正を防ぐ工夫
製造部門の不正防止
製造部門が直接お金の出し入れに関わることはほとんどないので、調達部門や総務部門のような金銭的な不正行為を働くことはないだろうと考えるのが普通です。仮にあったとしても、業種によっては高価な精密部品や稀少材料を扱っていることもあるので、それらをこっそりとポケットに隠し持って帰宅して売りさばくことくらいでしょう。
しかし、それが一人の従業員の単独犯行なら被害も限られますが、もしも倉庫管理と守衛本部が共謀している場合は発覚までに時間がかかり、被害も大きくなる危険があります。
そして気を付けなくてはいけないのが産業廃棄物の引き取りを専門に行っている、いわゆるマドゥーラマフィアと呼ばれる組織の存在です。従業員とこの組織が共謀して、工場のゴミの中に部品を少しづつ隠して持ち出し、自宅で高級商品に完成させて闇市場で売り飛ばしている事件がありました。
その証拠は掴めなかったのですが、ゴミを搬出するさいにチェックをする守衛も共謀していた可能性があります。それにしても、一人で部品を集めて売れる完成品までに仕上げる技能をいつの間に身に付けたのか、そちらの方が驚きでした。その能力を仕事に活かしてくれたら良かったのに残念です。いやいや、もしかしたら他に共犯者がいたのかも・・・・。
いずれにしても、工場の出入りにおけるチェックを厳格にすることしか思いつかなかったのですが、インドネシアの社会構造に基づく意外な抜け穴があることに注意しなくてはいけないと反省した次第です。