スハルト政権と日本の文科省
今回はインドネシアではなく、日本のニュースについて書いてみたいと思います。
昨年からの加計学園問題、前川前事務次官の問題、そして東京医大不正入学問題と、文科省の利権にまつわる腐った体質が表面化しています。政治ジャーナリストに言わせると、文科省は現在では最大の利権を持つ省庁であるとのことです。教育問題の専門家によると、先進国の中で日本の文科省のような巨大中央省庁を持つところは他には無く、これは明治維新の後に急いで教育制度を整備する必要から作られた組織であり、現在では他の先進国の様に地方の教育委員会や各学校に任せた方が良い事まで文科省が画一的に支配しているとことは害悪でさえあると話しています。
そこで思い出したのが1980年代にインドネシアのスハルト大統領が行った税関総局の解体です。当時の税関は汚職の代名詞みたいなもので、毎回の輸入手続きに際しては35ヶ所の署名が必要で、それぞれのところで賄賂を支払わなくては手続きが先に進みませんでした。私の勤務していた会社でも、かなり上の職位の税関吏が家族と休暇で海外に旅行しており、誰にも署名の代理権限を与えていなかったため、一ヶ月近くにわたり輸入材の入荷が遅れて生産が中断したことがありました。
そのあまりにも酷い汚職に対して諸外国から激しいバッシングを受けたスハルト大統領は、ある日突然、税関の解体を命じ、その全ての業務をスイスの検査機関に委託すると発表したのでした。このことで数千人の税関吏が職を失ったとも聞いていました。その後税関はスイスの検査機関の指導の下に復活したのですが、流石に以前のような常軌を逸した汚職は無いようです。
文科省の恥知らずな行いを見聞きしていて、日本では無理と知りつつ、ついスハルト大統領のような強権を望んだりする今日この頃です。