イスラム礼拝所の拡声器TOA

　インドネシアではどこに行っても必ずあるのがイスラムの礼拝所である。詳しく調べた訳ではないが、都市部ではおそらく1Km四方に一つはあるのではないか思われる。
　その地域の住民がお金を工面して建設して運営しているようで、我が町、我が村のシンボルのように誇りにしているように思える。
　その礼拝所から周囲にコーランの詠唱を伝えるTOAが煩いとの苦情を申し出た地元の仏教徒の女性が、イスラム教を侮辱したとして訴えられているとのニュースを見て、不遜ではあるが思わずニヤッとしてしまった。
　TOAと言うのは日本の拡声器メーカーのTOAのことであり、インドネシアでは古くから礼拝所用の拡声器を現地生産しており、一度工場にお邪魔したこともあるが、その時のお話では、インドネシアの殆どの礼拝所はTOAの拡声器を設置しているとのことであった。
　このようにインドネシアでは最初に普及した商品のブランドがその一般名称になっている例が多く見られるので面白い。
　私が知っているのは、地下水を汲み上げるポンプは”SANYO”、カメラは”KODAK”、小型オートバイは”BEBEK”（BEBEKはアヒルと言う意味で日本ではカブと呼ばれたHONDAの初期のオートバイ）などである。