絵で解るインドネシア基礎知識
大雑把に言ってインドネシアの国全体の経済力は日本の1/5ですが、人口が2倍のため、一人当りに換算すると大体1/10です。
体感的な物価も一部の輸入品を除くと日本の1/10ですから、現地で日本円換算した場合に1,000円の品物は日本で10,000円相当の価格と考えても良いでしょう。
高級モールに入っている日本食レストランの価格はほぼ日本での価格と変わらないので、Rp.90,000(約700円)のカツ丼は、インドネシアの庶民にとっては、日本人が日本国内で7,000円のカツ丼を食べる様なものでしょう。
現在の円とルピアの為替は大体Rp.120/円くらいですが、物価は決して1:120ではないことに注意しなくてはいけません。
過去20年間のGDPの伸びがインドネシアは4倍なのに対して、日本はほとんど伸びていないことは由々しいことで、このままではいつの日かインドネシアに越されることもあり得るでしょう。
人類のこれまでの大きな歴史は、紀元前10世紀頃までの前鉄器時代、その後の15世紀頃までの鉄器時代、16世紀から20世紀までのヨーロッパ人による世界侵略時代、そして21世紀後の独立と開放時代に括れるという、中部大学の武田邦彦教授の説に基づいて描いてみました。
インドネシアと日本の間の人の往来は戦後から始まったのではなく、実は縄文時代からあったのではないかとの説や研究もあります。
東西約5,000Km、南北約3,000Kmの海洋国家でインドネシアには未曾有の資源が眠っていると推測されます。
それらの資源を狙って16世紀頃からヨーロッパ諸国は先を争って植民地化を進めて来ました。現在では日本、中国、欧米諸国が資源開発、製造拠点、消費市場の対象として投資競争を繰り広げています。
立法府は機能は変わっていますが、独立以来の形である国民協議会、国民議会、そして地方代表議会の三つの議会から構成されています。最近は議会選挙と大統領選挙が同じ時期に行われるため、5年毎に大きな政治の季節を迎えることになります。
行政府は大統領をトップに隣保班長まできめ細かく規定されています。最近特にニュースに取り上げられるのは、大統領、国民議会、会計検査院に対して報告義務はあるものの、完全に独立した機関である汚職撲滅委員会の活躍です。
この図には表れていませんが、国軍(陸軍、海軍、空軍)と国家警察も大きな政治勢力としての組織です。国家警察は2004年以前は警察軍として国軍の一翼を担っていましたが、現在は切り離された別組織となっています。
いずれも大統領直轄の組織ですが、陸軍と警察は以前から犬猿の仲で、時々流血の騒ぎを起こしています。