ルピアの対ドル為替レートの歴史
私が1980年に初めてインドネシアに行った時は1米ドルが360円で420ルピアだったと記憶しています。そうなのです・・・円とルピアは米ドルに対してほぼ同等だったのです。
その前にも一度あったらしいのですが、駐在期間中に二度のルピア切り下げがありました。朝のテレビニュースに当時のスハルト大統領が登場して、今からルピアの対ドル為替レートを切り下げると突然宣言したのです。
最初の時は何を言っているのか訳が分かりませんでしたが、要するに1ドル420ルピアだったのが、突然650ルピアくらいになったのです。二回目の時は一挙に半分になったように記憶しています。
背景にあった理由は、当時の原油価格暴落でインドネシアも石油輸出収入が減り、その対策としてドルで得られた石油収入をルピアに換えた時に名目収入が増えるようにしたのだと聞かされました。
しかし、私のいた工場は日本から主要な部品を輸入していたため、その輸入部品をルピアに換算したコストは大幅に増大し、販売価格も上げざるを得なくなりました。
辛かったのたは、新商品の発売価格を前日に決めたばかりだったのに、一台も売られずに値札を差し替えることになったことでした。
値上がりは輸入品ばかりではなく、当時まだ街中を走っていたベチャと呼ばれる人力車の料金もその日から上げられたと従業員は呆れていました。
その後もルピアはズルズルと値下がりして、1995年に帰国する頃には1ドル2000ルピアくらいになり、逆に円は1ドル100円くらいまで高くなったため、赴任当時には円と同等だったルピアは1円が20ルピアくらいまで落ちてしまいました。
そして1997年のアジア通貨危機で一挙に1ドル10000ルピアを超えるようにまで落ちてしまい、その後は15000ルピアまで来ました。
ドルに対して数字が大きくなり過ぎたため、桁を切り取ってデノミを行うような話も聞こえて来ますが、果たしてどうなのでしょうか?