2019.03.15
インドネシアの耳より情報
貧富の格差が経済成長の原動力?
中国が世界の工場と呼ばれ名実ともに高度経済成長を遂げていた頃、中国のある経済学者は『我が国の貧富の格差こそ経済成長の原動力であり、それはダムの水位と同じで、高低差が大きい程発電能力が高いようなものである』と主張していました。
国内の安い労働力を活かして価格競争力のある商品やサービスを他国に提供して利益を得る構造を意味しているのでしょう。
貧富の格差を表すジニ係数(0の場合は完全平等で全員の所得が同じ、1の場合は完全不平等で数値が1に近いほど所得格差が大きい)は2016年のデータによると、中国0.51、インドネシア0.41、日本0.33となっています。
インドネシアは21世紀に入ってから5%を超える経済成長を続けていますが、この原動力の一つが貧富の格差であることは否定出来ないものです。
しかし、この原動力を大きくし過ぎると普通の国では社会不安が起きますので、インドネシアも貧富の格差是正と経済成長という相反する課題に取り組まなくてはなりません。