インドネシアで仕事をする日本人が留意すべき法律
インドネシアに駐在している日本人は概して現地の法律に対してあまり注意を払っていないようです。
インドネシア語は判らないとか、その分野は現地のスタッフや専門事務所に任せているとかが主な理由ですが、本当にそれで良いのでしょうか?
特にトップの日本人は船長みたいなものですが、航海図とか機関のことは判らないので担当スタッフに任せているのと同じではありませんか?
嵐に巻き込まれた時に本当にそれで船を守れるのでしょうか?
以下の法律は実際には日本語訳もありますので、現地の責任者には一度は目を通しておいて欲しいものです。
1.建国五原則
憲法の上位概念のような存在で、国民が守るべき以下の五つの信条からなり、サンスクリット語で五本の柱を意味するPanca Silaと呼ばれます。
2.1945年憲法
以下は日本学術振興会特別研究員、島田弦(しまだ ゆづる)氏による仮訳ですが、日本軍の支援を得てオランダから独立した当時のインドネシアの指導者たちの思いが伝わって来ます。また、インドネシアの人達が、独立”Merdeka”の言葉を口にする時の高揚した雰囲気が良く判ります。
3.商法
2014年に改訂されたものが最新版で、インドネシア国内における商取引ならびに外国貿易における関係者の義務と権利について定めたものです。
4.会社法
株式会社の設立、運営そして解散までの一連の規則が述べられており、会社定款はこれに基づいて作成されます。
5.投資法
外国からの投資に対する規則が述べられており、特に良く話題になるのがネガティブリストと呼ばれるものです。ネガティブリストとは、規制される項目を羅列したので、逆に言うとこれに記載されていないことは何の規制も受けないということになります。
6.労働法
主に労働者に対する会社側の義務と権限について述べられたものです。
7.労働組合法
インドネシアでは10名以上の社員が合意することで、社内労働組合を結成する権利があります。労働組合法はその結成から運営についての規則を述べています。
8.外国人雇用法
滞在許可および就労許可を取得して長期にわたり現地に滞在する駐在員や長期出張者に対する法律で、対象となる条件や手続きについて述べられています。
9.環境保護法
州によって規制の度合いはかなり異なりますが、特に排水処理については日本以上に厳しい場合もあります。
10.税法
インドネシアの税制は、法人