首都移転後のジャカルタが心配
ジョコウィ大統領が首都を中部カリマンタンの候補地に移転すると発表してからこれに関するニュースは頻繁に伝えられるようになりました。
候補地も中部カリマンタンの都市二ヶ所に絞られたようです。
ブラジルのブラジリアやミャンマーのネピドーの前例は果たして成功だったのかどうか分りませんが、移転後のジャカルタはどうなるのかと心配になって来ました。
テレビのニュースでは移転の理由として、交通渋滞、大気汚染、河川の洪水、ゴミ処理問題などが挙げられています。
昨日はジャカルタが瞬間的に大気汚染の度合いが世界で一番になったとのニュースもありました。
もしもこれらの問題を解決するために首都を移転するのであれば、大東京圏に次いで世界で二番目に人口の多い、大ジャカルタ圏、いわゆるJABODETABEKの三千万人の何割かを新しい首都に移住させなくてはならないでしょう。
日本にも遷都の歴史はあります。
奈良の平城京から京都の平安京、そして京都から江戸へと移りましたが、大きな理由は周囲の山々の森林を燃料として伐採し尽してしまい、燃料が不足しただけではなく、洪水や土砂崩れの災害に見舞われて住みづらくなったからだと言われています。
この辺りはジャカルタの事情も似たところがあります。
しかし、日本の遷都は時の政府と共に民衆も一緒に移ったのです。
ジャカルタの場合、経済や金融関係の政府機関は残すと言われています。
その場合、ほとんどの民間企業と庶民は残り、国政を担当する政府機関とその職員のみ移ることになるのでしょうか。
それで本当に交通渋滞、大気汚染、河川の洪水、ゴミ処理問題は解決されるのでしょうか。
まさか快適な新首都に移った中央政府から見放されて、これらの問題が益々悪化するようなことはないでしょうね。