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2019.10.14 最近のニュースに私的コメント

インドネシア政界の本当の実力者は誰?

1998年まで30年続いたスハルト政権の下では三つの政党のみが認められていました。

一つ目はスハルト大統領の下で実権を握っていた職能グループ(Golongan Karya:GOLKAR)でした。

二つ目はスカルノ元大統領の流れを汲むインドネシア民主党(Partai Demokratik Indonesia:PDI)でした。

三つ目はイスラム教組織を基盤とした開発統一党(Partai Persatuan Perkembangan:PPP)でした。

スハルト政権が崩壊するまでは、PDIとPPPは国際社会に対しての、多党政治による民主政治のアリバイのために存在するようなもので、実際の政治権力は無いのと同じでした。

特にPDIは1990年代に内紛が起きて、党首であったスカルノ大統領の長女で、後に第五代大統領になるメガワティ氏が党首の座から追い出され、現在の与党である新しいインドネシア闘争民主党(Partai Demokratik Perjuangan Indonesia:PDIP)を立ち上げました。

メガワティ氏は大統領職を引退した後はPDIPの党首として、ソロ市長としてその手腕が有名であったジョコウィドド氏を、首都ジャカルタ特別州の知事として当選させ、その任期途中に第七代大統領にまで押し上げました。

そして2019年10月20日には再選を果たした第二期目のジョコウィ大統領が誕生します。

流石にPDIPが国会議員数の過半数を取るまでは行きませんが、575議席数のうち128議席(22.3%)を占める最大与党として存在感を強めています。

決め手は彼女の娘であるプアン氏が国会議長に就任したことです。

スカルノ大統領の孫娘であるプアン氏はこれまでも常に母親の傍らで政治の世界を経験して来ました。

汚職撲滅委員会を骨抜きにするための法案の陰にいるのは、身内の幹部が最も多く摘発されて来たメガワティ親子と言っても過言ではないでしょう。

庶民の味方と自他共に認めるジョコウィ大統領は、庶民の願いを優先してこの法案を無効にするのか、それとも自分の政治基盤でありKing Makerであるメガワティ親子の意志に従うのか。

今後のインドネシア政治の本当の実力者が誰なのか判るのは間もなくです。