Negative ListとPositive List
インドネシア政府は外国投資に対してNegative Listを提示して各産業分野への進出を規制して来ました。
最新のリストは2016年に制定されたもので、大きく以下の三種類に分類されています。
①投資に閉鎖されている事業分野リスト
②中小零細企業・協同組合のために留保されている或いはパートナーシップが条件付けられている事業分野
③特定の条件付きで開放されている事業分野
特定の条件付きで開放されている事業分野はさらに以下の16セクターに細分化されています。
A. 農業セクター
B. 林業セクター
C. 海洋・漁業セクター
D. エネルギー・鉱物資源セクター
E. 工業セクター
F. 国防・警備セクター
G. 公共事業セクター
H. 商業セクター
I. 観光・創造経済セクター
J. 運輸セクター
K. 情報通信技術セクター
L. 金融セクター
M. 銀行セクター
N. 労働セクター
O. 教育セクター
P. 保健セクター
Negative Listの意味は記載されている事項は規制または禁止されるが、記載されていない分野やセクターについては何も規制がなく自由に対処してよいと言う意味で、外国投資に対しても何も規制は存在しないと理解されます。
これに対して最近、Positive Listを発行するようなニュースがあります。
これはNegative Listの逆ですから、掲載されている分野やセクター、または明記された条件でしか投資は認められないことになります。
言葉の響きから受ける印象は、Negative Listは後ろ向きでPositive Listは前向きであるかのように思えますが、実態は真逆です。
もしもインドネシア政府が外国投資促進のためにPositive Listを発行するのであれば全くの勘違いであるか、意図的な外資抑制と捉えるべきでしょう。
参考までに、日本以外の国々の軍隊のルールはNegative Listで、民間人を殺してはいけないなどの僅かな禁止事項だけで、あとはその場の状況に応じて上官の命令に従うか、自身で判断することになっています。
これに対して日本の自衛隊は警察と同じようなPositive Listで、これに記載されたこと以外は許されないため、万が一他国の軍隊と交戦する場合には限られた行動しか取れない極めて危ない状況に追い込まれます。