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2020.06.02 思い出深きインドネシアの人達との付き合い

日本のものつくりを伝承したジャワ人の職人

私の駐在していたジャカルタの工場では、商品の性格上、木工加工を多く扱っていました。
新商品を生産する時は、本社から人間国宝クラスの職人に何人か長期に滞在してもらい、インドネシア人の工員達に彼らの伝統技能を叩き込んでもらいました。
ジャワ出身者が多い工員の中で、特にC君は真面目て大人しく、難しい日本語で言われたことを一生懸命に理解しようとする姿勢が皆から評価され、日本から来た職人達には大変可愛がられていました。
部下の面倒見も良い事から次第に昇格し、私が帰国する頃には、木工職場の数百人を束ねる大任を担ってくれていました。
腕も非常に良く、日本では後継者が居なくなり、技能伝承が危ぶまれていた際には、インドネシアにおいて伝承されると皆喜んだものでした。
しかし、その数年後、学歴重視の新任の日本人社長から、高校卒のC君はその部門の管理職としての資格が無いとして解任され、失意のまま会社を去ったと聞いた時には本当にがっかりしました。