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2020.06.23 最近のニュースに私的コメント

インドネシアの三人の正直な警察官

hoegeng
インドネシアの第三代目大統領であったAbdurrahman Wahid氏、通称Gus Dur(グスドゥール)氏は、汚職にまみれた警察組織を揶揄して、インドネシアには三人の正直な警察官が居ると話したことがありました。
一人目はインドネシア語でPolisi Tidurと呼ばれるもので、道路を10cmくらい盛り上げて、そこを通過する車のスピードを強制的に落とさせる、いわゆる『寝ている警察』です。
二人目は交通違反を牽制するために道路の端に佇んでいる警察官の人形です。
そして三人目は初代の警察軍長官(スハルト政権までは警察も国軍の一つでした)であったHoegen(フゲン)将軍です。
フゲン将軍の息子がヤマハ(楽器)のインドネシアでのパートナーをしていたこともあり、退役後は何度か親しくお会いする機会がありました。

清廉潔白を絵に描いたような人物で、そのために時の政権を担うスハルト大統領に反旗を翻すことになり、出国禁止や自宅軟禁などの処遇下に置かれた日々もありました。

普通でしたら職権を活かして大きな財を成すことも可能な立場にあったのにも関わらず、軍から与えられた雨漏りのする古い家に住み、ポンコツの年代物の車に乗っていました。
出身地である中部ジャワの州知事が、フゲン将軍に国民の英雄としての称号を与えるよう政府に推薦しているようです。
汚職撲滅委員会の権限が弱められたりして、一向に無くならない政府高官による汚職に対して、フゲン将軍の魂はまだまだ必要とされているのでしょう。