2020.11.07
インドネシアでの仕事のアドバイス
インドネシアの労働組合とはどんなもの?
雇用創出法、いわゆるオムニバス法案に反対する労働組合のデモや暴動が毎日報道されていますが、インドネシアの労働組合とはどんなものなのかを簡単に説明してみます。
歴史的にインドネシアの労働組合は、1998年のスハルト政権崩壊までは形式的に政府が認めた組織のみでしたが、その後は雨後の筍の如く色々な組織が結成されて来ました。
上部組織のトップである労働組合連合は三つ以上の労働組合連盟で構成され、それぞれの労働組合連盟は五つ以上の企業内労働組合で構成されています。
主な労働組合連合・連盟は以下の通りです。
(1)Konfederasi Serikat Pekerja Seluruh Indonesia (KSPSI)
日本語名:インドネシア全国労働組合連合
所属組合員数:460万人
本部:ジャカルタ
概要:スハルト政権当時に合法化されていたインドネシア全国労働組合SPSIから発展した。
(2)Konfederasi Serikat Pekerja Indonesia (KSPI)
日本語名:インドネシア労働組合連合
所属組合員数:290万人
本部:ジャカルタ
概要:2003年に設立された組織。
(3)Konfederasi Serikat Buruh Sejahtera Indonesia (KSBSI)
日本語名:インドネシア労働者福祉組合連合
所属組合員数:不明
本部:バンドン
概要:1992年に設立された組織。
(4)Federasi Serikat Pekerja Metal Indonesia
日本語名:インドネシア金属労働組合連盟
所属組合員数:不明
本部:ジャカルタ
概要:連盟となっているが、下部組織に電子・電気労働組合、金属労働組合、自動車労働組合、造船労働組合などの下部組織を持ち、近年では最も活発な組織と見られる。
企業内労働組合は10名以上の従業員で構成され、一企業に複数の産業別労働組合を結成することも可能です。
会社の従業員は毎月Rp.1,000からRp.5,000の組合費を支払うことで誰でも労働組合に参加することが出来ます。
そのため、本来は有り得ないことですが、人事部長が企業内労働組合の委員長を兼務している会社もあります。