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2020.11.27 最近のニュースに私的コメント

汚職撲滅委員会の復活なるのか

2003年12月に独立した政府高官の汚職捜査機関として、汚職撲滅委員会(Komisi Pemberantasan Korupsi Republik Indonesia:KPK)は発足しました。
2004年以降の民主化を推進したユドヨノ政権下では、政府高官による汚職を数多く摘発して国民から喝采を浴びて来ました。
しかし、摘発された多くの政府高官は、2014年からのジョコウィ政権を支える闘争民主党の関係者が多いことから、党首であるメガワティ氏からその存在が敬遠され始めて来ました。
特にジョコウィ政権二期目の2019年以降には、その権限が大幅に削除され、解散も危惧されたほどで、2020年には複数の幹部が揃って辞表を出す事態もありました。
そんな状況下での、海洋水産大臣の突然の逮捕には驚かされました。
スシ前大臣は漁業資源の保護を最優先する政策を実施して来たため漁業関係者からは非難されることが多かったのですが、今回逮捕されたエディ・プラボウォ大臣はそのような政策を緩和することを進めて来ており、特定の企業に便宜を図ることで数千万円の賄賂を受け取っていた嫌疑をかけられているようです。
この大臣は大統領選挙前までは最大野党で、現政権とは大連立を組んでいるグリンドラ党の所属であることから、その党首であり国防大臣を担当しているプラボウォ・スビアント氏にも非難の矛先が向けられています。
元々はジョコウィ大統領の最大の政敵であり、次回2024年の大統領選挙でも三回目の挑戦をすると言われているプラボウォ・スビアント氏に対するネガティブキャンペーンの一環と推測出来ないこともありません。
いずれにしても、初代大統領であるスカルノ氏の長女で、短命ではありましたが第5代大統領も歴任し、ジョコウィ大統領のキングメーカーでもある、与党党首のメガワティ氏を中心にインドネシアの政界が渦を巻いている感じがします。