2021.03.19
コンサルタントの独り言
インドネシアと中国のこれからの関係
インドネシアと中国の関係はこれからどうなるのでしょうか?と聞かれることが多くなりました。
インドネシアにおける中国の存在感が年々大きくなっていることを、インドネシア関連の仕事をしている日本人も気が付き始めているのでしょう。
下の図のように、独立以降の政権の立ち位置を考えて見ても、スカルノ政権崩壊の後、自由主義陣営にシフトしていたのですが、最近は社会主義陣営に逆戻りするような傾向にあります。
特に、独立100周年である2045年に向けて、ジョコウィ政権以降も大きな国家プロジェクトを掲げて行くことになるでしょうが、問題はその資金をどうやって賄うかです。
そこに中国が這入り込み影響力を行使する機会が潜んでいることは、ジャカルタ-バンドン間の新幹線プロジェクト横取り問題などの事例から、誰の目にも明らかです。
インドネシア政府も馬鹿ではないでしょうから、中国に支配されることを承知でお金を出してもらうつもりは無いでしょうが、孫子の兵法を甘く見ているようです。
17世紀に時の明朝が満州族に滅ぼされ、清朝になってから多くの漢人がインドネシアに逃げて来ました。
インドネシアとして独立するのまでの300年間、オランダ植民地政府の手先となって富を築き、現在では人口3%の華人系インドネシア人が経済の90%を支配していると言われます。
スハルト政権下では禁止されていた中国語も2、1世紀に入ってからは自由に使えるようになり、文化、言語の面でも障壁の少ないインドネシアと中国となりました。
水、食料、鉱物などあらゆる資源に富んでいるインドネシアを、中国が何もしないで放置しておくことなどあり得ない話しです。