2021.08.15
コンサルタントの独り言
8月15日は欧米人による植民地支配終わりの始まり
日本のメディアはあまり大きく報道していませんが、アフガニスタンの首都カブールが反政府組織タリバン(イスラム神学徒)に包囲され始めていると、BBCは緊張した雰囲気で毎日トップニュースで伝えています。
オリンピックの期間中は何故か陰で大きな事変が起きているのが常です。
1979年から1989年までは当時のソ連軍の侵攻を受けて、それに抵抗するためにアメリカの支援を受けて生まれた武装組織がタリバンでした。
ソ連軍が失意の中に撤退して渾沌とした国内情勢が続いていた2001年、9.11の後に今度はアメリカ軍が侵攻して来て、以前の味方タリバン討伐に着手してから既に20年になります。
ソ連軍は10年で諦めましたが、さすがのアメリカ軍も20年にわたる戦いには耐えられなくなったのでしょう。
1975年にもベトナムで似たようなことがありました。
10年間のベトナム共産軍との戦いに敗れたアメリカ軍は、迫りくるベトナム共産軍から自国民やベトナム人を逃がすため、当時の首都サイゴンにあるアメリカ大使館の屋上からヘリコプターで沖合に停泊している空母に緊急搬送しました。
その時の映像は世界中にショックを与えたものでした。
恐らく近いうちにカブールでも同じような光景が繰り広げられるのでしょう。
あれから46年が経ったベトナムはアメリカとも国交を回復し、社会主義国家ではあるものの、戦後の日本と似たような感じでアメリカの勢力の下に付いています。
情勢が大きく異なるアフガニスタンですが、日本やベトナムと同様にいつかは平和な時代を迎えられることを願って止みません。
今でも世界のあちらこちらで内乱や紛争が絶えませんが、これらの種を撒いたのは17世紀以降の欧米諸国による植民地支配であったことを、歴史の事実として忘れてはなりません。
白人諸国以外で植民地支配から逃れられたのは、当時としては世界最強の武力を有していた日本と、植民地宗主国間の緩衝地帯として保護されたタイだけでした。
大東亜戦争については様々な意見や評価がありますが、結果としてアジア諸国を欧米の植民地支配から解放したのは歴史の事実です。
1955年にインドネシアのバンドンで初めて開催された『アジア・アフリカ会議』では、主催者の当時のスカルノ大統領が演説の冒頭で、『我々を開放してくれた日本に感謝する』と述べたのは有名な話です。
最近では、2004年から10年間にわたりインドネシアの大統領職に就いていたユドヨノ氏が、『あの時代に日本という国があったことの意味を良く考えるべきだ』とも述べています。
お隣の大陸国家と半島国家は反対の評価を下していますが、当時の毛沢東主席は日本に感謝すると述べているのも事実です。
アジア諸国は今から76年前に独立のチャンスを掴み、多少の時差はありましたが植民地支配から解放されたと言って良いでしょう。
しかしアラブ諸国とアフリカ諸国にはまだ植民地支配の様々な残滓があり、未だに内戦や紛争を抱えています。
今回のアフガニスタンの進展はアラブ諸国の真の解放の始まりであって欲しいと思います。