2022.01.14
最近のニュースに私的コメント
21世紀のインドネシア国家課題
1.経済勢力の対立の中での課題
インドネシアは今後は自由主義経済圏の中で成長と発展を追求することになるでしょう。
経済成長は国内需要の拡大と華僑資本の力だけでなく、継続して外国資本に頼ることになるでしょう。
その中でも中国のからの直接投資と一帯一路に基づく政府援助に過剰に依存することが最大の課題になると危惧されます。
2.政治勢力の対立の中での課題
植民地政策と共産主義の悲惨な歴史を体験したインドネシアにとって民主主義勢力の中に留まることは必至です。
しかし、国是として『多様性の中の統一』を掲げる通り、多民族、多宗教の問題の中でも宗教の問題は深刻です。
国民の約9割がイスラム教徒であるインドネシアは、建前としては政教分離を原則にしていますが、絶対多数派のイスラム教強硬派への対応は難しい舵取りを求められるでしょう。
3.軍事勢力の対立の中での課題
今後益々拡大すると懸念される米中対立の中で、インドネシアは難しい対応を迫られる場面が多くあることでしょう。
1965年9月30日のインドネシア共産党クーデター事件の後は、政権が代わっても西側陣営のメンバーとしての立場を維持して来ました。
しかし、昨今の東アジアにおける中国の覇権拡大の動きには困惑している様子は窺えますが、フィリピンやベトナム程には正面から対決する姿勢は示していません。
経済界を牛耳る華僑が水面下で抑えていることも考えられますが、軍事外交と経済を一緒くたにすることのリスクが懸念されます。