お問い合わせ

採用募集中!

2022.11.04 最近のニュースに私的コメント

インドネシア政府調達品の国産品比率95%は本当に可能なのか?

インドネシア政府は政府が調達する物品の95%以上を、国産品に限定すると発表しました。
そうすることで雇用機会を創出し経済成長に貢献させるとの心意気は良いのですが、いつもの悪い癖で上っ面だけを捉えて物事の本質を無視しているのです。
本当の意味での国産品を増やすと言うことは、それぞれの商品のサプライチェーン全体を国内で構築すると言うことを無視しているのです。
資源採掘→工業材料生産→部品加工→製品組立→販売、と言う一連のプロセスを国内で実現することが本当の国産化であることが何故分からないのだろうか。
一時は世界の工場と言われた中国は、資源採掘の一部は外国に依存していたけれども、それ以降のサプライチェーンは国内で実現していたので世界の工場としてのし上がって来れたのです。
モノ作り大国と言われた日本も同様です。
さらに必要なのが技術開発力です。
日本はこの分野で世界最先端を誇って来ました。
これらの基本的な考え方を無視して、政府が調達する物品の95%以上を国産品に限定すると簡単に言ってしまうところがインドネシアの悪いところで、本当の意味で先進国になれない一つの大きな原因でしょう。
ジョコウィ大統領が宣言したように、2045年まで世界の5大経済大国にのし上がるには、国内でのサプライチェーン全体の構築と技術開発力の強化に力を入れなくてはならないのは明々白々です。