2023.01.18
最近のニュースに私的コメント
ニッケル製造工場での杜撰な労務管理
2023年1月15日スラウェシ島中部のニッケル製造工場PT Gunbuster Nickel Industri(PT GNI)において、インドネシア人労働者と中国人労働者の間で騒動があり、双方それぞれ1名が死亡する事件がありました。
この工場は世界一のニッケル生産地で電気自動車などのリチウムイオン電池の原料を生産しており、インドネシア人労働者13,000人と中国人労働者1,300人が働いているとのことです。
警察によると、騒動の原因は労働法の真逆を行くような以下の8点の問題を訴えたインドネシア人労働者によるストライキに対して、中国人労働者が妨害しようとしたことにあるようです。
1.安全衛生対策の不履行
安全衛生のSOP無し
安全防護器具の不遵守
中国人による安全衛生の管理
労働災害による死亡事件の隠滅
2.会社側による労働組合結成の拒絶
3.会社側による労働組合結成活動の撲滅
4.会社側による技能手当の削減
5.期間契約雇用による長期就労の排除
6.就業規則の不在
7.労働災害による死亡者への給付金未払い
8.中国人労働者によるインドネシア人労働者に対する襲撃、暴力、抑圧
ジョコウィ大統領の2045年に向けた国家事業の目玉である、電気自動車生産拠点の基盤となるリチウムイオン電池の工場の惨状から、何か嫌な予感がします。
雇用創出法案で労働組合から猛批判を浴び、独立以降の人権弾圧事件を再調査して人権問題の再発を防ぐとアピールしていますが、言っていることとやっていることがちぐはぐになっています。
王様のようになってしまったジョコウィ大統領にそのことを箴言出来る人はもはやいないようです。