2023.05.14
最近のニュースに私的コメント
ジャカルタ暴動から25年
昨日2023年5月12日で1998年5月12日のジャカルタ暴動から25年が過ぎました。
前年の1997年に起きたアジア金融危機で、インドネシアは経済危機に見舞われ、物価は急騰しました。
これに抗議する市民の大規模デモが起き、その先頭に立っていたTrisakti大学の学生4名が何者かに射殺され、それが陸軍特殊部隊だと判明したために、政府と軍に抗議する市民の大暴動が発生したのでした。
結局この事態を収拾するためにスハルト大統領は辞任に追い込まれ、その30年に及ぶ長期独裁の軍事政権は終わりを告げ、その後の民主政治へと移行したのでした。
射殺した部隊の指揮を執っていた当時の陸軍将官であった現国防大臣のプラボウォ氏は、スハルト大統領の娘婿で、自他共に認める次期大統領でした。
射殺事件での起訴を避けるため一時は海外に亡命してたものの、いつの間にか帰国し、2014年、2019年、そして2024年の大統領選挙に出馬しています。
1998年5月12日、15年の駐在を終えて既に帰国していた私は、新しく設立した現地法人の立上支援の目的で、デンパサール経由の飛行機でジャカルタに向かっていました。
デンパサール空港のロビーでテレビに映る、大騒動のジャカルタの様子を見て驚いたのですが、なんとかなるだろうと思いそのままジャカルタまで行きました。
しかし、ジャカルタでは着陸した飛行機から出ることを禁止され、そのままとんぼ返りで日本に戻ることを余儀なくされました。
あの悪夢のような出来事を忘れることはないでしょう。