2023.05.18
最近のニュースに私的コメント
悪路視察の真の意図は
最近ジョコウィ大統領はスマトラ島南端の住民から寄せられた、悪路に対する苦情の実態を視察する機会が二度もありました。
現場に足を運び、自分の目で問題を確認することは、ソロ市長時代に実践していた手法で、それが市民の大きな支持を得て、その後、首都ジャカルタ知事、そして大統領へと瞬く間に上り詰めたのでした。
実質的な任期が一年前後となった今、どうしてソロ市長の時のような行動を起こしているのか、老獪な政治家として成長したジョコウィ大統領の頭の中には、普通の人には予想も付かない策略があるのかもしれません。
二回の大統領選挙を僅差で勝ち取ることが出来た理由である、草の根支持層を呼び起こすためのパフォーマンスを展開し、インドネシア共和国の指導者はやはりジョコウィ大統領でなくてはいけない、との世論による後押しで憲法改正による任期延長を実現しようとしているのかもしれません。
それが叶わないとしても、圧倒的な人気を維持することで、後任の次期大統領に対する強大な影響力を持ち、影の国家元首として2045年に向けての国家プロジェクトである、首都移転、電気自動車の世界供給国、そして世界第五位の経済大国を実現させようとしているのかもしれません。
また、アメリカの弱体化が言われ始め、中国に対抗する勢力として台頭しつつあるイスラム諸国結束の、中心的役割を睨んでいるのかもしれません。
そこに日本の姿が見られないのが残念です。