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2023.05.25 最近のニュースに私的コメント

益々元気なゴッドマザー

Megawati

インドネシア闘争民主党の党首であるメガワティ氏(76歳)が、ジョコウィ大統領の長男で、ソロ市長のギブラン氏(36歳)が、自党の大統領候補である中部ジャワ州知事であるガンジャール氏ではなく、その対抗馬であるグリンドラ党の党首で、国防大臣でもあるプラボウォ氏と頻繁に会っていることに対し、『戦術面で気を付けなさい』と注意したことは前のブログでもお伝えした通りです。

驚いたのは、その直後にギブラン氏がガンジャール氏に会いに行ったことで、メガワティ氏の政界でのゴッドマザーとしての存在が改めて浮き彫りになったことです。
メガワティ氏は初代大統領の故スカルノ氏の長女として政界に入り、スハルト長期政権の時代は形だけの二つだけの野党の一つである、インドネシア民主党を率いていましたが、党内のクーデターで党首の座を追われ、スハルト政権崩壊後はインドネシア闘争民主党の党首として、短期ではありましたが第五代大統領も務めた筋金入りの政治家です。
大統領を退いた後は野党の党首として、ソロ市長であったジョコウィ氏を首都ジャカルタ州知事、そして瞬く間にインドネシア共和国大統領にまで引き揚げ、インドネシア闘争民主党を与党第一党に据えた、正に政界のゴッドマザーです。
彼女から見れば、プラボウォ氏は自分の父親であった故スカルノ大統領を失脚させたスハルト氏の元娘婿であり、自党が支持している現職大統領の息子がそんな人間と親しくするのは内心許せないのでしょう。
また、自分を党内クーデターで追い出した現在の民主党は、ジョコウィ大統領の前任のユドヨノ大統領の息子が党首を務めていますが、何故かこの党だけが大連立与党から外されているのも、過去のことが許せないのでしょう。
来年の大統領選挙は、スカルノ一族が推すガンジャール氏とスハルト一族の流れを汲むプラボウォ氏の対決の様相を帯びて来ました。