2023.11.03
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TIME誌はインドネシアの新首都を負の遺産と評価
2023年10月27日付のアメリカTIME誌が、『かつては民主主義のシンボルであったインドネシアのジョコウィ大統領-負の遺産を代表するその新首都計画』と題する記事を掲載したことで、インドネシア国内では物議を醸しだしています。
以下はその要点です。
10年前の2014年にジャカルタ州知事から大統領に選ばれた時が、民衆の代表としてのジョコウィ大統領の絶頂期であった。
しかし、ジョコウィの時代は新首都Nusantaraを設置するとの宣言で、民主主義は退化し始めた。
2019年に首都移転が発表された際、『新北京』を作るのかと言う批判もあったが、民主主義陣営の中では、アメリカ、インドに次いで、世界第三位の人口を抱えるインドネシアが、選挙を経ずして指名された人間が、首都を管理しても良いのかと言う問題であった。
確かに現在の首都ジャカルタは、2050年にはその1/3の面積が、地盤沈下のために水没すると言われている。
ジャカルタの環境問題について、ジョコウィ大統領もほとんど根本的な対策は取って来なかった。
首都を移転することで、政治家達はその問題から責任を免れると考えているのだろうか。
ミャンマーなど、他の幾つかの国においても首都移転は行われて来たが、主な目的は反政府運動から隔離することであった。
インドネシアにおいてもこれまでも国運を変えるような反政府運動があり、そしてこれからも反政府運動は起こることだろう。
しかし、市民から遠く離れた政治家と官僚だけの、大統領により任命される管理責任者が統治する首都は、果たして機能するのだろうか。
民主主義のシンボルとして登場したジョコウィ大統領であるが、36歳の長男の副大統領候補指名に絡む、年齢制限を事実上無効にした妹婿の憲法裁判所裁判長、28歳の次男を野党の党首就任、娘婿のメダン市長就任など、10年の任期の最後に見せた縁故主義の悪例と共に、負の遺産を残すことになるだろう。