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2024.02.24 最近のニュースに私的コメント

ジョコウィ大統領の引退後の活動基盤は無い?

2024年10月に任期を終えることが決まっているジョコウィ大統領は、引退後は田舎で農業をして暮らしたいと語ったことがありました。

しかし、まだ62歳の若さで隠居するとは、最近の言動を見てもとても考えられません。

今回の大統領・副大統領選挙と、国会議員選挙に対する影響力の行使から、院政を敷こうとしているのは明らかです。

しかし、過去の引退時の各大統領と比較して見ると、何か危ないのではないかと懸念されます。

初代のスカルノ大統領は、共産党を基盤にしようとし、クーデターを容認したことで失脚し、その後は失意のまま病死しました。

第2代のスハルト大統領は、30年の長期政権の後、1998年のジャカルタ大暴動の責任を取らされる形で辞任しましたが、支持基盤であるゴルカル党を背景として、引退後も名誉は守られました。

その後、暫く政治的な混乱が続きましたが、スカルノ大統領の娘である、第5代のメガワティ大統領は、短期政権ではありましたが、自身が設立したインドネシア闘争民主党を背景に、インドネシアの政界に君臨して来ました。

2004年に最初の国民直接投票で選ばれた、第6代のユドヨノ大統領も、自身が党首を務めて来た民主党を背景に、長男を党首の後継者にするなど、政界のご意見番としての存在感を維持して来ました。

そして第7代のジョコウィ大統領です。

元々はソロ市の家具製造会社のオーナーでしたが、地元ソロ市長としての手腕を、インドネシア闘争民主党のメガワティ党首に買われ、ジャカルタ州知事、そして大統領とスビート出世を遂げました。

しかし、今回の大統領・副大統領選挙では、これまでの支持基盤であったインドネシア闘争民主党のメガワティ党首を、見事に裏切ってしまいました。

他の大統領達と異なり、自身の政党を持たず、長男を副大統領として差し出したプラボウォ次期大統領の、グリンドラ党に対してどのように影響力を持てるのか、必死に考えているのではないかと推測されます。

2度の大統領選挙で、膨大な選挙資金を華僑財閥から借りていると噂されるジョコウィ大統領ですが、なかなか簡単には引退出来ないのかもしれません。