2024.03.08
最近のニュースに私的コメント
民主主義は金がかかって、くたびれる?
最近インドネシアのニュース番組で、民主主義は金がかかってくたびれる、との問題提起が報道されています。
確かに今回の大統領・副大統領選挙と総選挙の経緯を見ていると、金がかかりくたびれるのは納得がいきます。
集計作業に関わっていた100名以上のスタッフが、疲労で死亡したこなどがそれを顕著に表しています。
大統領・副大統領候補の各陣営が、何回かにわたり開催した決起大会の規模を見ると、どれだけ金を使ったのかと心配になってしまいます。
2004年に国民の直接選挙で初めて大統領・副大統領を決めた時は、アメリカ、インドに続く、世界でも最大規模の民主国家の誕生と賞賛されたものでした。
2014年にジョコウィ大統領が登場した際には、国の内外から、民主主義のシンボルと称えられたものでした。
それなのにも拘わらず、既に飽き飽きしたのでしょうか。
二千年にわたり各地の王族に支配され、独立するまでの300年以上はオランダの植民地として支配され、独立後はスハルト独裁政権の下にあった歴史を持つインドネシアにとって、西洋式の民主主義を取り入れてから、まだ20年しか経っていないことを思うと、民主主義は金がかかって、くたびれると感じてしまうのも致し方ないのかもしれません。
それとも、西洋式の民主主義に制度疲労が見え始めた21世紀、インドネシアは自国に適した、独自のパラダイムを創り出しても良いのではないかと思うのです。