2024.07.12
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世襲政治を批判する
現在はインドネシア闘争民主党の国会議員で、2014年から2017年にアホックジャカルタ州知事の下で副知事を務め、アホック氏が州知事再選の選挙活動中に、イスラム教を侮辱したとの非難を受けて失脚した後、残りの1年間を州知事の代行として活躍したジャロット氏が、ジョコウィ大統領による世襲政治を強く批判しています。
ジョコウィ大統領は長男を次期副大統領に当選させ、次男を次期ジャカルタ州知事に、そして娘婿を次期北スマトラ州知事に立候補させているとして、インドネシアの大きな社会問題である、汚職・共謀・縁故主義(KKN:Korupsi,Kolusi,Nepotisme)の中の縁故主義を行っているとして批判を受けています。
しかし、メディアの発表では残りの任期を3ヵ月とした今でも国民の支持率は75%前後と高く、11月に州、県、市の首長選挙を控えている各政党は、このジョコウィ任期にあやかって自党の勢力を伸ばすべく、彼の子供達を支持して関係を作るべく躍起になっています。
ジャロット氏によれば、このような縁故主義による世襲政治家育成の動きは、スカルノ初代大統領からユドヨノ第6代大統領までは見られなかったもので、ジョコウィ大統領の代になって始まったとしています。
氏は、インドネシアは民主主義国家であるから、誰が政治のリーダーになっても良いが、しかし、そこには倫理や道徳があってしかるべきで、自分の子供達、その兄弟達、そしてその孫までを政界に引き上げるようなことは止めるべきだと主張しています。
ジョコウィ任期を背景に誕生した、プラボウォ次期大統領は大連立政権を構築すべく、各政党に呼び掛けていますが、次期政権下においても、最大議席を持つインドネシア闘争民主党は野党の立場を堅持すると表明しているので、日本のように世襲政治家が蔓延り、国が衰退するようなことが無いよう、頑張って欲しいものです。