2024.08.02
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インドネシア進出サポートメルマガ2024年8月号
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インドネシア進出サポートメルマガ2024年8月号
Vol.17 【2024年8月1日発行】
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■目次
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【1】 インドネシア進出関連ニュース『インドネシアのEV産業』
【2】 インドネシア社会一般ニュース『新首都建設状況』
【3】 インドネシアお楽しみニュース『新しくなったインドネシア・ミニチュア・パークTMII』
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【1】インドネシアのEV産業
2000年以降、世界のEV販売台数は急速に伸びて、2023年には14百万台に達しました。
国別の普及率では北欧諸国が高く、ノルウェー93%、アイスランド71%、スウェーデン60%、フィンランド54%、デンマーク46%、ベルギー41%で、その後に中国が38パーセントと続き、アメリカ9.5%、そして日本3.6%となっています。
インドネシアのジョコウィ大統領は、2期目が始まる直前の2019年に、独立100周年の2045年にかけての国家プロジェクトの一つとして、世界のEV生産拠点化計画を打ち出し、年間400万台の生産を目指すと発表しました。
インドネシアは、EVに使われるリチウムイオン電池の材料である、ニッケルの埋蔵量が世界一であることが、この動機ではないかと推測されます。
その後、ジョコウィ大統領の肝いりで、スラウェシ島に中国資本でニッケル採掘工場、西ジャワ州に韓国資本で電池工場とEV組立工場が設立され、今日では年間10万台以上の生産規模に拡大しているようです。
しかし、世界のEV市場は一時のブームとは逆に、特にトップランナーの北欧諸国において、利用面での不都合な事実が噴出し、EV化の動きにブレーキが掛かり始めています。
アメリカの次期大統領候補であるトランプ氏も、支援者のイーロン・マスク氏に遠慮して露骨に批判はしていませんが、積極的にEV化を進める気はなさそうです。
ジョコウィ大統領としては、2025年のインドネシア国内での普及率を20%にしたかったようですが、現時点では3%以下で、目標には遠く及ばないようです。
今月ジャカルタで開催された自動車ショーは、中国に次いで世界第二位の規模と評され、そこではEVの販売を拡大させたい、インドネシア政府と中国、韓国のEV関連企業が、必死の広告宣伝活動を繰り広げていたようです。
インドネシアに拠点を構える日本の自動車メーカーは、いずれもEV化への取組姿勢は見せていますが、中国や韓国メーカーのような必死さは感じられません。
EV化の発端となった環境問題や、EV産業の専門家ではありませんが、この問題は無視出来ないとしても、焦ると火傷しそうな予感がします。
【2】新首都建設状況
ジョコウィ大統領は前述のEVと同様に、独立100周年の2045年にかけての国家プロジェクトの一つとして、首都移転計画を打ち出しました。
場所は東カリマンタン州州都バリクパパンの北北西35Kmの地点で、この辺りはスカルノ前大統領とスハルト前大統領も首都移転先として少し手を付けた地域で、その時の道路工事の跡も僅かに残っているようです。
当初の計画によると、移転は以下の4つのフェーズからなっています。
第Ⅰフェーズ 2020年~2024年 中央政府移転初期段階
第Ⅱフェーズ 2025年~2035年 強靭な中核地域の開発
第Ⅲフェーズ 2035年~2045年 外国投資誘致
第Ⅳフェーズ 2045年~ 世界の先端都市
最初のマイルストーンは、2024年8月17日の独立記念行事を新首都で開催することで、それまでに50万人の政府関係者を移住させる予定でした。
今年初めには、大統領の執務も7月からは新首都に移すとしていましたが、5月には首都建設公団の理事長と副理事長が、理由が不明のまま突然辞任すると言う事件も起き、工事は遅れが目立ち、大統領自身の評価では、2024年8月17日時点での進捗率は15%とされています。
7月29日から3日間だけ現地で執務をこなすと発表していますが、兎に角、水と電気の供給がしっかりされない限りは、正式移転が何時になるのかは神のみぞ知る事態です。
毎日のように報道される建設現場からの中継では、見渡す限りのジャングルの中に忽然と切り開かれた空間があり、建設中の巨大な大統領官邸、国会議事堂、議員邸宅、政府職員アパートが鎮座している感じで、空港や近隣の都市とを結ぶ道路も未完成とのことで、8月17日の独立記念行事は安全策を取り、ジャカルタの現大統領官邸でも同時に行うことにしたようです。
2024年7月24日時点の現地景観
https://www.youtube.com/watch?v=WQwZ6L3-Z4k
2024年7月30日時点の大統領官邸<Istana Garuda>周辺
https://www.youtube.com/watch?v=_yBUAclZfCQ
ここまで来て首都移転は取り止めと言うのは難しいと思われるので、遅れながらも進めることでしょうが、政界の何人かのご意見番からは、急いでる訳ではないので、新調に確実に進めるべきであるとの声も出ています。
建設資金の調達にも苦労している様子で、大統
領自ら海外からの投資を呼び寄せるためのトップ営業も行っています。
領自ら海外からの投資を呼び寄せるためのトップ営業も行っています。
最大の資金源は予想通り中国からのお金のようで、2023年末には、アメリカのニュース雑誌TIMEが、ジョコウィ大統領の負の遺産、New Beijing Cityと揶揄する特集記事を組むくらい注目を浴びています。
個人的には、ジャカルタの地盤沈下や大気汚染などが移転の理由であるならば、何もジャングルを切り開かなくても、もっと近くで安く済ませる方法があったはずであると確信しています。
また、この巨大な国家プロジェクトを通じて、いつもの巨額の汚職事件が続発するのではないかと心配です。
ジョコウィ大統領は、新首都建設は国民経済の成長に貢献すると主張していますが、是非そうなることを願っています。
【3】新しくなったインドネシア・ミニチュア・パークTMII
1975年に当時のスハルト大統領のティエン夫人の肝いりで、ジャカルタ東南の郊外に設立された、幅750m、奥行2,500mの公園”Taman Mini Indonesia Indah”は、インドネシアの自然、地理、歴史、文化、伝統、産業、技術などを、短時間で見学出来るスポットとして、当時からジャカルタ市民の行楽の場です。
https://tamanmini.com/taman_jelajah_indonesia/
そのTMIIでは2022年1月から2023年9月にかけて、約100億円を投じて大幅な改装工事が行われ、ジョコウィ大統領により公式に完了が宣言されました。
https://www.youtube.com/watch?v=Hi0CnYpNj6Y(要約紹介ビデオ)
https://www.youtube.com/watch?v=ZS3Ju574uBQ(詳細紹介ビデオ)
屋外は暑いので、お薦めはエアコンが効いている入口正面に構える歴史博物館と、入口の右手に見えるKeong Mas(金色のかたつむり)劇場です。
Keong Mas劇場でそれぞれ15分で上映される、大画面と大音響のインドネシア紹介映画は、一度は観ておく価値があります。
園内には本格的なレストランは無いので、食事をする場合は、正面ゲート手前右手の、Hotel Santika TMIIの中のレストランでの、インドネシア料理がお薦めです。
以上